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NECのwifi 6E対応ルータ WX11000T12とWX7800T8 新発売(その2)

WX7800T8

前回投稿の続きです。
前回は、この2機種がwifi 6E規格に対応していることを紹介し、wifi 6E規格の特徴についてお話ししました。今回は、これらの機種のもう一つの特徴、メッシュwifi についてお話しします。

メッシュwifi とは

 メッシュwifi は、複数のwifiルータを使用するシステムです。
壁や天井などの障害物があったり、あるいは面積の広かったりする家屋や小規模事務所等は、1基の wifiルータで全体をカバーすることが出来ませんでした。それを複数のメッシュwifiルータを設置することで解決し、広範囲をカバーできるようにするものです。

 メッシュwifi は、複数の メッシュwifi対応ルータで構成されます。うち1台は「コントローラ」と呼ばれ、ネットワークを管理します。残りの機器は「エージェント」と呼ばれ、コントローラに従って動作します。
 コントローラとエージェントは、通常はwifiでやり取りします(無線バックホール)が、有線接続することもあります(有線バックフォール)。

これまでは、中継機が使われていた

これまでは、広範囲をwifiでカバーするのに、1台のwifiルータ(親機)と複数の中継機を用いて実現していました。

もしくは、複数のwifiルータをLANケーブルで結び、
・1台のルータ[RT]モードの機器と残りのブリッジモード(アクセスポイント[AP]モード)の機器の構成にする、もしくは
・ホームゲートウェイと複数台のブリッジモードのwifiルータの構成にしていました。
・その時wifiルータのSSIDを共通にするようなこともしていました。

メッシュwifi と 中継機を使用したシステムの違い

メッシュwifiシステムと、中継機を使用したシステムと、wifiルータとアクセスポイントを使用したシステムを比較した表をまとめると、次のようになります。

メッシュwifiの長所と短所 (windows PCは右クリックして新しいタブで画像を開いてください)

【メッシュwifiを用いたシステムが優れている点】

速度の速さ

中継機を使用したシステムよりも、メッシュwifiの方が断然速いです。これはwifiデバイスの接続台数が多い環境、中継機の段数や台数が多い環境では顕著です。

中継機は、上位のwifiルータからの信号を中継するだけなので、そのwifiルータが、システムにつながっているすべてのwifiデバイスへの最終処理を全て行わなければならない。そのため、そのwifiルータへの負荷が大変高くなって、速度低下につながる。

一方、メッシュwifiシステムでは、それぞれのエージェントが、自機につながっているwifiデバイスの処理を行う。コントローラとエージェントが分担するため負荷が分散され、速度低下になりにくい。

導入台数の制約の有無 より広域を隅々までカバーできるか

中継機の導入台数には制限がある。上位のwifiルータの性能に依存する。
・1台のwifiルータや中継機に接続できる中継機は2台までとしているものが多い。
・1台のwifiルータからの中継機接続段数は、1段のみという場合もあれば3段までOKとしている所もある。
・例えばBuffaloのwifiルータと中継機の組み合わせの場合、1台のwifiルータや中継機に接続できる中継機は2台まで、1台のwifiルータからの中継機接続段数は2段まで としている。
・いずれにせよ中継機の導入台数が増えるとパフォーマンスが低下し接続トラブルになる率が高くなる。

中継機能を利用して、最大何台まで接続可能ですか(buffalo社の資料より)

一方、メッシュwifiでは、そのような制約はない。接続できるエージェントの台数に制限は無いので多くの台数を設置できる。

複数の中継によるトラブルの起こりにくさ

中継機を多段接続した場合、途中の中継機にトラブルが起きると、下位のすべての中継機につながっている全てのモバイルデバイスが影響を受ける。

一方メッシュwifiでは、コントローラと複数のエージェントでメッシュ構成されている場合、コントローラとエージェントの連携によって、中継経路を変更することで、影響するモバイルデバイスを少なくすることが出来る。

基地局の切替のスムーズさ

一般的に、モバイルデバイスは、使用している基地局のwifi信号の強さがあるレベルより弱くなって初めて、より強い信号の基地局への切替を行うが、そのしきい値は、モバイルデバイスによって異なる。
しきい値の高いデバイスでは、少しでも信号強度が弱い場所に移動すると、基地局を切り替えようとするため、通信が頻繁に切れたりして安定しない。
しきい値の低いデバイスでは、信号が受信できないほど弱い場所に移らない限り、いま接続している基地局の信号を使って通信をしようとするので、通信速度が遅くなったり頻繁に切れたりする。中継機を用いたシステムでは、こういったことが起きる。

一方、メッシュwifiシステムでは、メッシュwifiを構成するすべてのルーターが連携して、常にモバイルデバイスに対して、「通信に最適な基地局はこれですよ」という情報を送ることになっているので、モバイルデバイスは、その情報をもとに最適な基地局の信号に速やかに切り替えることが出来る。そのた場所を移動しても通信が途絶えることなく快適に通信ができる。

【中継機を用いたシステムが優れている点】

導入の手軽さ
※機器設定の手軽さではありなせん!

中継機はメーカーや機種を問わず、既存のルータ(ルータモード、アクセスポイントモードどちらでも可)や1段目の中継機に接続できる点で手軽に導入できる。ただ中継機とルータは同じメーカーでそろえた方が良い(メンテやメーカーサポートの点で)

一方、メッシュwifiの場合、事実上同じメーカーの同じメッシュ規格のもので揃えないとメッシュwifiネットワークを構築できないので、計画をたてて導入する必要がある。

導入コスト

メッシュwifiルータは、中継機より高い。またメッシュwifiネットワーク用に複数台必要。

メッシュwifiまとめ

メッシュwifiを用いたシステムと中継機を用いたシステムを比較すると、速度の低下を抑え、通信の途切れを減らす点で、圧倒的にメッシュwifiを用いたシステムに軍配が上がる。

テレワークやリモート会議の普及で、通信の速さと信頼性が求められる。wifiで通信の速さといえば、wifi 6 や wifi 6E を使ったシステムが求められる。そしてwifi の電波を隅々まで速度の低下を抑え高品質でカバーするには、メッシュwifiシステムが一番適している。

とはいえメッシュwifi導入にはコストがかかるし、同じメッシュwifi規格のルータで統一しなければならない関係上、一旦導入したら容易にシステム全てを別のものに入れ替えるのは困難。導入には慎重に検討する必要がある。どのメーカーのメッシュwifi規格を採用し、基地局をどう配置していくか計画することも必要だ。

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